権現松

上富田町の生馬橋を渡り800メートルほど行くと、県道から分かれて急な石段の両側に樹齢百数十年の見事なサツキが並んでいます。富田側筋でただ一ヶ寺の浄土宗の観音寺(さつき寺)です。
この寺の裏山に三抱え半ほどの大きな松の木がありました。この松は根もとから6メートルぐらいのところで、二股になったといいます。昔、熊野権現さんが熊野へ御鎮座されるときに、この付近をお通りになられ、二股の松の木に一夜の宿をとられたといいます。それ以来村人は権現松と呼んで崇敬しました。
この権現松は、後に台風で倒されたが、ちょうどその頃、観音寺に鐘桜(寺院の,梵鐘(ぼんしよう)をつるす堂)を建てる計画がありました。
また権現松の跡へ小祠を建て、権現宮をおまつりしたといわれています。

<熊野文庫より引用>

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