熊野九十九王子のうち、格別に崇敬を受けた五体王子の一つでした。ここで垢離をして、身を清めていたと言われます。藤原定家の「後鳥羽院熊野御幸記」には、ここに馬を預けて石田川を渡り、一ノ瀬王子へ詣ったと記されています。境内にはかつて大きな楠があり、ここから熊野三山を詣でてまたここに戻ってくるまで7日間かかったので、「7日詣りの楠」と呼ばれています。江戸時代には、「岩田王子」とも呼ばれ、岩田村の産土神とされていました。大正4年に岩田神社に合祀され、翌年には社殿も移されたが、昭和31年に復社されました。世界遺産に指定されています。